【記録】最近見た演劇たちの話
こんにちは、日野あかりです。
すっかり日が落ちるのが早くなってきましたね。羽毛布団が気持ちいい―。
さて、Antikame?絶賛稽古中です。
前半何回かはZoomでの稽古で、 #家で出来る演劇 で散々オンライン本読みしたのが既に懐かしい気持ちになりました。。(またやりますよ!いまは稽古で出来ないけど…)
そんな最中、先月から立て続けに何本かお芝居を観たので、簡単な感想を残しておこうかなと思います。
ちなみに9月中旬には、日本演出家協会主催の戯曲セミナーで、三島由紀夫の『鹿鳴館』をひたすら学んだりもしていて、コロナ禍だからこそ結構インプットが出来てるなぁと思う次第です。
9/29 コンプソンズ『WATCH THE WATCHMEN』
前回観劇して面白かった(そして推しが出てるので)観劇。
時事ネタで笑うけど、どんどんめちゃくちゃになっていく様にも普通に声出して笑いました。
Youtuberのひとたちが楽しくて好きでした。あと金子さんたちも鬱々としたり、開き直ったり、親近感。
客席の一個あけをするにあたり、著名人ご招待の紙が貼ってあって、最初ビビりました。(後から人が来たら嫌だなぁとか思ってしまうあたり、まだ結構コロナ気になってるんだなと再確認)
10/9 ドリルチョコレート『線路沿い獣道』
急遽時間が空いたのと、前に #家で出来る演劇 のオンライン稽古場見学の企画で参加してくれた真嶋一歌さんが出演してる&MCR好きなので観劇。
大きな声で大事なことを話すお芝居、自分がやるのは苦手なんですが、観るのはとっても好きなんですよねー。
上演時間も比較的短めで、テーマがきゅっとしていてとても良い観劇後感でした。(読後感、の観劇版)
拝見しててふと目がいってしまうのが、澤さんの居方。佇まいというのか、さりげなくて存在している感じがとても好きです。
10/11 Pityman『みどりの山』
#家で出来る演劇 で脚本を使わせていただいたPitymanがMITAKA"Next"Selection 21stに選ばれていたので観劇。
オンラインでやってらっしゃった作品も拝見してましたが、より独自の世界観があって、わたしはとても好きでした。
論理的な把握はしきれないんですが、その世界観の表現が巧みというか、俳優さんの居方で説得されるので、そのまま心地よく観れる感じです。
女性も男性も代理出産できる世界で、なぜかお魚ちゃん(小さい魚に足が生えてる存在)が産まれてくる、、という奇天烈な話なのですが、その設定自体が不思議なので、全部を論理で理解するよりは、不思議さを味わう見方がわたしには合ってたように思いました。
10/14 miunaプロデュース『ダウンワードスパイラル』
界隈の人気者大集合、という感じ!
いや、もちろんそれだけじゃないんですが、なんせ豪華なもので…。
話を締める男性の出演者が特に印象的でした。
日ラの安東さん、真っ当な職ということが嘘みたいに思えるくらい、最後まで怪しい。。笑
川上献心さん、わたしが観たときはブチ切れシーンでサイドバッグを落っことしてて、ステージの線ギリギリのところだったのでハラハラしました。その時に呆然と見てる女の子たちがそのバッグを見てるのがよい。(全回あの位置に落としてるのかな?芸達者な方と伺ってるのでそうかも。アクティングエリアをギリ超えるかどうかの線に物があるとドキドキする、というのも狙いかな。)
浅見臣樹さん、日ラのナイゲンでも拝見してましたが、その時のなよっとした感じとはまた違う穏やかなる狂犬感が素敵でした。そりゃおぼこい娘は惚れるわ。
完全に余談ですが、秘書という仕事の人が物語に出てくるとちょっと緊張しちゃう職業病あります。「キレイどころが楽な仕事してる」「女っぽい人がキーキー言ってる」みたいなテンプレ的な?描き方されてると、仕事柄悲しくなっちゃうので。。。今回はぎりぎり大丈夫でした笑
10/15&10/18 架空畳『インテグラルの踵は錆びない‐13人姉妹のモスクワ‐』
二回観劇って普段ほぼしないんですが、この度はしちゃいました。
初日と知らず観に行き、わあなんだこれこの完成度。という驚きでいっぱいに。昨年末の佐藤辰海演劇祭で短編は拝見しており、すごい好き!わかるとわからないのバランスが大好き!!って思ってて、初めて本公演を拝見できたのですが、圧倒的情報量の海でウニになるの楽しかった。。
脚本買って読んで最終日のマチネに滑り込んだんですが、やっぱり観て良かったです。
ちょっと話が脱線するんですが、映画・演劇とかを観る時に物語重視か、絵重視か、人重視か、というその人が主に着目するポイントがあると思っていて、わたしは基本的に物語重視なんです。だから筋立てを理解して、その作り込みとかに感動しがちなんですが。だったんですが。
前述のPitymanしかり、架空畳しかり、わかる/わからないが混在した物語に、より魅力を感じるようになってきた気がします。
その余白にこそ感じるものがある。ような。
だから正直聞き取れないところも、謎な言い回しのところも、知識がないと面白めないところもありますが、物語ってそういうものな気がしちゃう、そんなところも含めて楽しいなあと思える架空畳の作品だった気がします。
あと単純に岩松さんのファンになりますね。すごいと思う本当に。。。
10/18 世田谷シルク『我、へだてて、景色』
#家で出来る演劇と岸田國士 で使用させていただいた巣鴨の古民家かのうにて、わたしがオンライン本読み始めるきっかけをくれた世田谷シルクの堀川炎さんが面白い企画をする…!ということで、とても楽しみな公演。
懐かしいあの家を、こんなふうに新しく使うなんて…!と感慨深く思いました。(別に自分の家ではないんですが。笑)
1時間の巡回型作品、お客さんは自分だけ、というとても珍しい観劇形態で、戸惑う部分も多かったですが、コロナ対策として俳優とお客さんが接触しない、というコンセプトをいろんな形で扱っていたのが印象的でした。インスタレーションみたいな感じ。
10/18 恍惚感湿地帯『わくわくパラディーソ』
こちらも、#家で出来る演劇 のオンライン稽古場見学に参加してくれた波多野伶奈さんが出演されてたので観劇。
コロナものと思いきや、ゾンビウィルスが蔓延する世界観でのデリヘル店のお話。
店長さんの穏やかさ、背負っているものの重さをきちんと把握している感、とても好みでした。
「回復者」と呼ばれていた、一度感染したけどワクチンによって快方に向かった人、という存在がなんだか意味がありげというか、日本ってそういう人も差別しがちに思っていて、(それは病気でなくてもある意味メインストリートからの脱落も含む)外ではそういう人が差別されるであろう世界のなかで、店長さんの息がつける場所があのお店なのだな、優しくないけど優しい世界だな、とかを取り留めなく考えました。
あと最後、敵対してるお店が感染者をデリヘル嬢と鉢合わせたっていう解釈でいいんですかね?すごい戦い方っていうか、生物兵器だな…その人たちの人生はどうなってるんだ…893が飼い殺してるのかな。
10/25 青年団リンク やしゃご『ののじにさすってごらん』
めっちゃ久しぶりのこまばアゴラ劇場。
前回公演の評判が良かったのが気になってたので観劇しました。
綿密…ぅ!という感じで、これが青年団なのかなぁという勝手な印象ですが(青年団の人にもいろいろいますよね)、わたしは好きでした。
というか設定がとても良かったなー。ベトナム人と中国人の技能実習生の2人がいることにより、耳から聞こえるものの多様性があって、ともすれば予定調和になりそうな綿密さに対してのアクセントになってたように思います。
同時発語のところも嫌味なくて(偉そうにすいません、たまに観る同時発語って「こんなことできるんだぜ」「自然な会話ってこういうもんだろ?」みたいな、本当にそこで必要?みたいな、鼻につく気配を感じることあるんですよね…)、作品の中で観客を巻き込む力になってたなーと感じました。とっても観てよかった!
10/25 アマヤドリ雨天決行season.6『ぬれぎぬ』
Antikame?でも共演する、多方面でお世話になっている大塚さん出演作品で観劇。
次ご一緒する共演者と観劇中お隣の席になるという偶然がありました。
おそらく、、、とっても記憶が定かではないけど、多分昔の上演も観ているんですよね。小劇場の世界に足を踏み入れてすぐのころだったので記憶があいまいです。
その当時と、今と、180度感じることが違うんだろうな、と思いました。
個人的につらいシーンがあり、あまり平静な気持ちで感想を書けないのですが、それだけ心を抉られるというか、傷を掘り起こされるパワーのある演技だったと思います。
特に男性囚人の方の、好きな女性を語るシーンは(上記のつらさとは無関係に)とても心を打たれました。ぽろぽろ泣いちゃった。あの熱さが嘘でなくて、結果的には少し安心?した気がします。
移動中にちょこちょこメモっていた内容なので、支離滅裂&長さにもばらつきありますが、雑記ということでお許しくださいませね。
もともとただの小劇場ファンなので、コロナ禍でもこうしてたくさんの作品を上演するまでの努力を重ねてくださっている皆さんに深く感謝です。
そして自分も、同じく、それ以上に、頑張ってやろう!!と思う次第です。
ということで笑、ここまで読んでくれた人はそうそう多くないと思いますが、ぜひ11月18日~22日のAntikame?も観に来てくださるとうれしいです。
あんまり最近の写真がないので、新調したおしゃれ眼鏡の写真でも乗っけておきます。文化系女子感ぱねえ。
ひの
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