【ヒノカサ】『瞑目のパノラマ』終演によせて
こんにちは、日野あかりです。
12月2日をもって、ヒノカサの虜第11回公演『瞑目のパノラマ』が無事終演いたしました。
ご来場いただきました皆様、スタッフさん、役者のみんな、そして作演の函波さん、ありがとうございました。
今回私は「アテナ」という、神?のような、世界を司る?ような役を演じました。
前提の世界観としては、「アテナ(Affect transforming energy navigator)」という脳と首元につける機械によって、感情が半分になると同時にクローン情報も読み取られ、死んでもクローンとして生き返る身体にされた少年少女(幼少期につけると成長が止まる)が主軸。
彼らが兵士として戦うパート(過去)と、10年が経ち、死ぬこともできず、戦争で人を大量に殺してきた過去から抜け出すこともできないで苦しむ彼らとそれにまつわる人々の話が背景です。
ややこいなぁ。
そのなかで、唯一アテナをつけずに兵士となり、大人になっても疑似戦争のエースパイロットとして働くバグと、アテナをつけた兵士の中でも最強、一度も死んだことのないジャンヌの物語がメインストーリーとしてあったのでした。
私は、彼らがつけている「アテナ」の元となっている存在で、少年少女の兵士はアテナの体構造を人工的にコピーしてできている。
まったく無感情な存在で、月から伸びているネジを巻くことによって、世界の丁度を調える役割を担っている、見方によっては神、だし、ただ必然を実行するだけの存在にも思えます。
ここまでの説明で、全くよくわからない、と思った人。そうなるのも当然です、、書いていて全くまとまりません。
自分の役について考えると、
アテナは無感情な存在なのですが、ある空間(アテナが死んだらよみがえる原風景、海辺・深海)では人間の言葉を流暢に話すことができて、大人のバグ(実は実子)との会話をするシーンでは、母性的なものが垣間見える、ということになっていました。
私はそのシーンがとても好きでした。上手くできていた、というより、好き。
2時間25分の上演時間で唯一普通に話していい瞬間だということもありますが、、、笑(他のシーンは言語能力を最近インストールしたばかりなので吃音・片言のような話し方でした)
台詞の中に、「知らなくていいことは知らなくていいし、聞きたくないことは聞かなくていいんだ。(ネジを左回しに、世が荒れるように回していたのは)お前達が傷つかなくて済むように、と思っただけだから」という部分があります。
アテナは兵士を束ねる会社の頭領から、擬似戦争が許される程度に世が荒れるよう、ネジをゆるめるという仕事をさせられていたというのが中盤でわかるのですが、
この台詞があることで、アテナは潜在的に母性や感情を持った存在であることが示唆されていて。
つまり、言われてやっていた仕事だけど、アテナとしては、自分の子供たちが傷付かなくていいほど、世界自体を歪めることを選んでいたわけです。
稽古序盤に自分のTwitterに、
わたしの役を布とすると、縦糸と横糸のそれぞれどこか一本だけ、赤くて愛の詰まった糸が混ざっているんだと思う。
と書いたのですが、
役と付き合っていくにつれ、少し違うのかな、と思いました。
赤くて愛の詰まった糸があるのではなく、糸を縒る前の綿が全てうっすらと赤くて、あまりにうっすらとだからそれで出来た布は白く見えるのかもしれない。
でもその布で包まれると、あたたかいのだと思います。
抽象的で独りよがりなこと言いました。すいません。
私が演じたアテナという役は、如何にもキャラクター的な存在に見えて、そうではない部分もあったということを自分の備忘録として残しておきたかったのです。
あと役のことでいうと、
前項までと相反する気配もありますが、、
アテナという存在を説明しているシーンがあり、舞台の最前、お立ち台に数分静止していて、私の背後で芝居が行われているというシーンがありました。
このまん丸の台に、静止して、数分。
これはだいぶ見られるなぁと面白くなってしまい、何も要求されていないのですが、ここはアテナはこれのイメージだろう、と思っていたのが以下。
ちょうどいい画像が見当たらなかったのですが、よくある3Dで回転してる人体の模型みたいなCG。このイメージで立ちたいと思い、ほぼ微動だにせず、瞬きも40秒に一回くらいに抑えてました。
ほんと地味な自己満チャレンジだったのですが、そこそこ気づいてくれる人がいて自己承認欲求が大さじ5くらい満たされました。
アテナの人間的な部分を観せるシーンと、完全に異質な存在としてそこにいるシーン、それぞれに演じることができて良かったです。
また、こんなに人数の多い座組で珍しいほど仲が良いというか、空気が良かったです。
座長であるりんたろう氏の優しく真摯な人柄(本当に尊敬します)、
少年バグ役大滝さんのひたむきさ、
アルベラ役村上さんのコミュ力、
久井役なぎさ先生の優しさと厳しさ、
関役小西さんの真剣な不真面目さ(褒めてます)
二元、メープ役ズンドコほりえの愛すべきポンコツさ
などなど。個性豊かだけどぶつからなかったのは、あまりに壮大な物語が共通敵になったのかもしれません。
ハイパー長いまとめになってしまいましたが、こんなところでしめようと思います。
次は2月末、と思っていましたが、その前に1つ大変面白い企画に参加できる気配です。楽しみ。
それでは、また。
(追記)
書き忘れてましたが、わたし結構感情あります。見えにくい時もあるみたいですが。
感情ある役、お待ちしてます!!!
(追記終わり)
ひの
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